今回は「伝え方9割」と言う本のアウトプットをしたいと思います。
2013年に発売された本で、著者の佐々木圭一さんは、博報堂でコピーライターを務めていた人で、伝えるに関してはプロ中のプロと言う方です。
でも、著者の佐々木さんは、元々伝えることが上手くなかったらしく、会社員になるまでは伝える技術に関して勉強・訓練していなかったらしいです。
それでも、日本人初の米国広告賞金賞を受賞するなど「元々ダメだった人」が書いた内容なので、かなり価値の高い内容になっています。
僭越ながらその内容と要約をまとめ、読んでみての感想をまとめてみたいと思います。
目次
「伝え方が9割」の内容と要約をわかりやすく
まず、この本の目的・解決すべき課題をおさらいすると、
「相手からYESを引き出す」と言うことです。
その目的を前提とした上で、内容をまとめていきます。
伝え方の超基本ルールとその3ステップ
自分のお願いを「NO」から「YES」にかえるためには、次の3つのステップです。
- 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
- 相手の頭の中を想像する
- 相手のメリットと一致するお願いをつくる
どう言うことか、本書での具体例をそのままあげます。
あなたは好きな人とデートに行きたいと思っています。
そのときにどのようにデートのお誘いをすればいいのでしょうか。
「今度デートしませんか??」
これだと、相手にとって「この人とデートするかしないか」と言う2択になってしまい、相手が自分に対して好意を持っていなければ断られる可能性が非常に高いです。
と言うことで、基本ルールの3ステップ。
1.自分の頭の中をそのまま言葉にしない
いきなり自分の頭の中をそのまま言葉にしないておきましょう。
「デートしたい」という気持ちを一旦置いておいて、次のステップ
2.相手の頭の中を想像する
相手がどんなことが好きなのか想像してみましょう。
例えば、好きな子がイタリアンが好きという情報を耳にしたとします。
これだけで、ステップ2は終わり。
最後に
3.相手のメリットと一致するお願いをつくる
「デートしたいという気持ち」×「イタリアンが好き」
という二つの組み合わせを使って、相手のメリットと一致するお願いをつくるのです。
そうすると、デートを誘う言葉は
「驚くほどうまいパスタの店があるのだけど、今度行かない?」
これだと、自分はデートに誘えているし、相手はパスタが食べられるという両方のメリットが一つの言葉にまとまりましたね。
YESを引き出す7つのテクニック
先ほどの基本ルールは「相手の頭の中を想像する」「相手の好きなものを引き出す」という基本ルールでしたが、
他にも6つのテクニックがあるので紹介します。
- 相手の好きなこと
- 嫌いなことを回避
- 選択の自由
- 認められたい欲
- あなた限定
- チームワーク化
- 感謝
ここでは全部取り上げるのが難しいので、僕が特に重要だと思う2つを紹介します。
サラリーマンとしてもよく使う2つだったので抜粋しました。
2.嫌いなことを回避
本書では「芝生に入らないで」をメッセージとして使いたいとあるのですが、そのときあなたならどんなことを伝えますか?
ここで出てくるのが、嫌いなことを回避させるお願いの仕方。
芝生に入らないで→「芝生に入ると農薬の匂いがつきます」
芝生に入ることで、「農薬の匂いがつく」という嫌いなことがついてしまうのでそれを回避しようとしているのです。
公園にも「このベンチのペンキは塗り立てなので、座るとペンキがつきます」
みたいな警告があったりします。
それはまさに同じ効果かもしれません。
そしてもう一つが
3. 選択の自由
これはある意味、自分の思うように誘導するとも言えます。
先ほどのデートを例に挙げてみましょう。
デートしたい好きな子がいて、その子がイタリアンが好きという情報を耳にします。
そのときに、
「驚くほどうまいパスタと石窯で焼いたピザどっちが食べたい?」
と聞くと、相手としては「行くor行かない」という選択肢から「パスタorピザ」という「行かない」という選択肢が排除できるのです。
また、こちらは本書にありませんが、イタリアンが好きという情報がなかった場合、
「驚くほどうまいパスタと新鮮なお魚を使って握るお寿司どっちがいい?」
という誘い方をすれば「ごめん、私イタリアン苦手なんだ・・・」という答えももらわずにすみます。
ちなみに、伝える側じゃなくとも、この選択の自由については多くのセールスマンが使用している方法です。
何か物を売られたときに「あれ?そもそも買わないという選択肢をなくしているじゃん!」
なんて気づくこともできますので是非覚えておいてください。
究極に「YES」を引き出す5つの技術
最後に本書では「強いコトバ」をつくる5つの技術について述べられています。
その5つが
- サプライズ法
- ギャップ法
- 赤裸々法
- リピート法
- クライマックス法
またこれも、2つだけ紹介したいと思います。
2. ギャップ法
これは言葉通り、ギャップを利用した伝え方です。
こちらも本書の例をそのまま挙げます。
「あなたが好きです」
と伝えたいときに、そのまま伝えるのではちょっと物足りなくて、
「好き」という言葉の反対の言葉を前半に持っていくテクニックです。
「嫌いになりたいのに、あなたが好きです」
伝えたい言葉「好き」の反対「嫌い」を冒頭に持っていって強くギャップを感じられるようになりました。
他にも、
「他店がまずく感じるほど、ここのラーメンは本当にうまい」
どうでしょうか??
そこのラーメン食べたくなってきますよね
そして、もう一つ面白いテクニックが
5. クライマックス法
これは、伝えたい事の前に、「いいですか?ここから大事な話をしますよ?」
みたいな前フリの言葉を並べるという事です。
例えば、こんな言葉があります。
- 「ここだけの話になるのですが〜」
- 「これだけは覚えて帰って欲しいのですが〜」
- 「基本的なことは次の3ステップで〜」
実はこの記事にも、このブログにもこの「クライマックス法」ってめっちゃ使っています。
でもこれって、意識しないと使わない言葉なので、
「なんだ。そんなことか!」と思っている人ほど、全く使いこなせていないことも多いのです。
他にもいろいろなテクニックが隠されているのですが、それは是非本を読んで学んでみて欲しいと思います。
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「伝え方9割」の書評・感想
内容量、読みやすさ、役立ち度、どれをとっても満点に近い本書。
多くのビジネス本はとある人物をターゲットにしているものが多く、例えば
「新入社員向け」「経営者向け」「転職者向け」・・・
と分別しています。
でも、この本は、多くの人に読んでてもらいたいがための本であり、内容も至ってシンプルに書かれてあります。
仕事だけではありません。例に挙げた通り「好きな人をデートに誘う」という日常生活にも役立つ技術ばかりです。
ただ、この本に限らず多くのビジネス本は「実践しないと意味がない」と思っています。
そういう意味でも、この本って実践するハードルがどのビジネス本よりめちゃくちゃ低い。
お願いすることってこれからの世の中何回も出てくるので、学んでいて損はしません。
もし気になったというのであれば是非手にとって読んでみて欲しいと思います。
https://miya-gong.com/308/